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数日前、手紙が届いた。
ペーパーナイフがなかったから、カッターで開けた。
何も考えてなかった。
丸出しの足を見て、してみたくなった。見てみたくなった。
押し当てて引いてみた。
浅かったから、切った線だけ入った。少ししたら赤い線になってきて、赤い玉ができてきた。
もっと見たくなって、もう一回やった。
同じように線になって、同じように赤くなって同じように玉になった。
でも物足りない。
だから今度は大きく強く引いた。
赤い線になって大きな玉になって垂れる寸前で、自分が今何をしてるか自覚した。
これはレグカというやつなんではないか??
自覚したら急に罪悪感を感じた。
誰もいないのに謝り倒した。
家族とか恋人とか友達に見られたら、どんな目で見られるんだろう。何て言われるんだろう。そんな事だけ考えて謝って、そのうち疲れて寝た。
病んで、精神科にもかかって、ちゃんと向き合おうとしてる人達。ごめんなさい。
向き合うことが怖くてたまらないし、でも精神科に行くほど病んでもいないでしょう。中途半端に病んでいる。
父と母は喧嘩は滅多にしなかったし、兄弟も普通だった。私だけ違かった。
でもだよ。
優秀な兄と同時に生まれたからって事あるごとに比べられて何をしても勝てなかったのも、弟も兄と同じ高校に通って、私だけ劣っているって思わざるを得なかったのも、すごく嫌だった。
努力は必ず報われる?よく言うよね。
結果を出しても認められなければ意味がないのに。
頑張ってもできないことは確かにある。
何をしても賞を取っても、努力は認められなかった。
できなければそれは努力じゃないって、じゃあ今までしてきたのは何なの?
そうして疲れて、努力しなくなって、でも認めてはもらいたい面倒臭い奴になった。
だから、これ以上迷惑かけないために、独り立ちで暮らしていけるようになったらどこかに失踪して、死にに行こうと思う。
それまでは、どうにか頑張ろう。